“id”綿雪コンサートに参加してきました。

昨年12月6日のことですんで、既に1ヶ月以上経っておりますが、忘れないうちに書いておこうと……。
……と、思ったけど、大半忘れてます。すんません。

出演までの経緯は、前回のログに。

当日は、午前中に練習してから会場に向かおうということになったので、前の日から実家に泊まっておりました。
いつもの練習場所は午前中営業していないので、臨時に演奏会の会場近くのレンタルスペースをかりました。
これが実家から地下鉄で1駅のところだったので、たいへんラクでした♪
……なんか、普段列車で半日かけて来ていることを思うとハラたってきたので、ここはパス。

朝から集まって弾きまくりましたが、この会場は多目的というか、とりあえず音楽練習用のものではないので、やたら反響します。
上手くなったような錯覚に陥るので注意が必要です。

さんざん弾いて、いいだけ疲労してから会場に移動してリハーサルです。
ボロボロでした。
いやもう、情け容赦なくボロボロ。

今回、けっこう練習して演奏会に臨んだんですよ。
ワタクシも、休日はもちろん、平日でも近所迷惑にならない程度の時間に退勤できた日は必ず個人練習やってましたし、他の2人も、日常の様々な制限の許す限り弾き込んできたものと思われます。
今回のメンバー3人は皆サッポロの外に住んでる人間で、3人の居住地は緯度にして2度の範囲に散っておるのですが、可能な限り日程を調整して集まりました。

でもボロボロ。
どうしようかって感じのリハーサルでした。

しかし、このリハーサルで、会場の譜面台は高さが合わないので持参の譜面台を使用しよう、ということになったのは良かったです。
やっぱり、いつも弾いている環境に近い状態で弾くってのは大事ですね。
お気遣いくださった"id"の皆さま、ありがとうございます。

リハーサル後に控え室で多少は練習したのですが、開演してからは会場に移って他のグループの演奏を聴きました。
我々の出番は第2部だから、第1部の間に控え室で練習することも可能だったのですが、せっかくレベルの高い他団体の演奏を聴くチャンスなんだから、やっぱり聴きたいです。
それに、自分としては、今日はこれ以上練習してもこれ以上良くはならん、という確信があったのでした。
「今日は」です。
演奏会が後日で、この後また何回か練習できるんだったら、また違った結果を出せるかもしれないけど、「今日は」これ以上のものにはならん、と。

そんなわけで、第1部と、第2部も自分達の出番が終わった後は、"id"の皆さんの演奏を聴いたのですが、やっぱり聴いて良かったです。

印象に残った曲は、まず、ギター三重奏で、武満徹作曲の「3台のギターのための『不良少年』」。
武満徹の和音はけっこう好きなんですが、ギターで聴くとまた素敵です。

マンドリンピアノ曲を弾くのって、技術面でえらい困難が伴うと思うのですが、(というか、はっきり言ってワタクシだったら指が回らないところなのですが、)この演奏会ではマンドリンとギターの二重奏で演奏されるピアノ曲がけっこう聴けました。
ショパンの「エチュード」とか、モーツァルトトルコ行進曲」とか。
上手い人はちゃんと弾けるもんなんだなぁ、と感心しました。

マンドリンとギターの二重奏では、GONTITIの「放課後の音楽室」も良かったです。
優しい音色で、はじめて聴くのに懐かしい気持ちになりました。

第1部の2グループ目から、ギターの方が出ずっぱりで、ちょっと微笑んでしまいました。
"id"のメンバーは全体にレベルの高い方ばかりだと思うのですが、このギターの方はプロだけあって、やっぱり別格ですごいです。
前回の木苺コンサートでも素晴らしい演奏を聴かせていただいたので、楽しみにしておりました、
今回もやはり、別格ですごかったです。

第2部の前半は、自分達の出番の直前直後だったので生では聴けませんでしたが、題名を見て一番心惹かれた曲が、マンドリンとマンドラの二重奏で、葉加瀬太郎の「Wild Stallions」です。
種馬場でしたらスタリオンは何頭もいますが、野生の場合、小さい群れだと種馬は1頭だけ(だったと思います、確か……)。
「Wild」がついて、複数形ってことは、けっこう大きい野生馬の群れが想像されます。
(まさか、サンデーサイ○ンス系のワイルドで気の荒い種馬がたくさんいる牧場って意味じゃないですよね……)
馬好きを自称する身としては、生で聴けないのが残念でした。
後に届けていただいたCDで聴いたところ、これがもう非常にカッコ良くてですね。
この文章をうっている今も、脳内でエンドレスで再生されております。
いやほんと、生で聴きたかった!!!

ラストが、一段と若いメンバーの、なんとマンドリンソロでした。
一人での演奏は、ただでさえ緊張するでしょうに、大トリです。
しかも、ギターならまだしもマンドリン
すごいプレッシャーだったでしょう。
しかし、さすが単独で大トリを任されるだけの技量のある方でした。
中野二郎「夕べの想い」、桑原康雄「じょんがら」、どちらも素晴らしかったです。

いい演奏会でした。

……で、終わるわけにはいかないので、自分達の演奏についても書いておきます。
端的に言うと、リハーサルでボロボロだったのが、かえって良かったです。
すこし手を休ませて疲労を回復させたのも。
一部のステージで若い人々ががんばっているのを聴けたのも。
そんなこんなで、変な力みもなく、いい状態で弾けました。

細かく言えば、とちったところも、「ありゃりゃ」なところも、色々あるのですが。
特に3楽章とか3楽章とか3楽章とか。
しつこく練習して「よし、なんとか弾けるようになったぞ」と思っていたハイポジションを、あっさり外したり、聞かせどころのトレモロが潰れていたり、速めのパッセージで左手の押さえがあきらかに甘かったり……この辺をあげつらいはじめるとどんどん気持ちが沈んでいくのでここまでにしておきます。

そういう細かいところ(いや細かくはないって)に目をつぶって大筋を見るに、現段階の我々として可能な限り、いい演奏ができたと自分では思います。
ワタクシは、自分の音(特にトレモロ)が汚くて嫌いなんですが、CDを聴く限り、今回の演奏の音(特にピッキング)は許容範囲内です。もちろんヘタなんだけど、以前と比べるとだいぶマシになってると思います。
いけやんやazknさんも、この曲の雰囲気に合った優しい音色で演奏しててイイ感じです。

………………………………って、全体的に良さげに聴こえるってことは、もしかして録音が良かったのか? 雑音がカットされてるとか?

それはともかく、すくなくとも合奏としては、3人のバランスとか、かけあいとか、一斉に入ったり一斉に消音したりするところとか、けっこう気をつけて弾けたと思います。
演奏に入る前の、いけやんのしゃべりなんかも、曲が子どもネタだからっていうのもあるけど、お客さんの気持ちが近づいてくれるような話し方や内容だったと思います。
そういうのも含めて、良かったです(かえすがえすも主観)。

この演奏会に誘ってくださった"id"の皆さま、ありがとうございました。
ワッフル持ってかけつけてくれた、たろーかじゃ様、ありがとうございました。

ところで、このところ自分達の演奏に対する評価が以前より甘くなったような気がするんで、もしかして耳が年取ってんのか? と思うこともあるんですが。
最近、azknさんが自分達の演奏データを年代順に編集したCDを作ってくれまして、それを聴くかぎりでは、やっぱり若い頃の我々の演奏はちゃんとヒドく聴こえますから、耳の老化のせいではないでしょう。

我々もいいかげんオッサン・オバサンですが、まだこれから伸びる余地があるのかもしれない、と思えて、すこし気持ちが明るくなったです(くどいようだが主観)。