念願の曲……だったのだが

2月11日、サッポロの「第39回マンドリン四重奏演奏会」に参加してきました。

我々の団体「Sound-Hole」が演奏したのは、
・マーク・ゴールデンバーグ作曲/いけこ編曲「Queen of Swords」
・いけこ作曲「ルフラン」
の計2曲でした。

五重奏、というかマンドリン四重奏+パーカッションで、編成は以下のとおり
・「Queen of Swords」
  パーカッション:asaking、1M:いけこ、2M:ぴよ、MD:幾狭、MC:azkn
・「ルフラン」
  パーカッション:いけこ、1M:asaking、2M:ぴよ、MD:幾狭、MC:azkn  

Queen of Swords」は、昔サントリーローヤルのCMで使われてた曲ですが、我々の年代ならたいてい覚えてるのではないだろうか、あの印象的なCM。
砂漠みたいなとこを背景に、怪しげな見世物の行列(曲芸師とか、道化師とか、天使に仮装した垂直方向にチャレンジされた方とか)が登場して、詩人のランボーがどーの、というナレーションが入って、最後にナイフ投げのナイフが飛ぶやつ。
サントリーの中で一番えらいのは、CM部門だっていう話を聞いたときに、思わず納得したもんでした。
放送されていた当時は、多分ワタクシが小学校高学年の頃。
その曲を持っていた知り合いに頼んでカセットテープにダビングしてもらったのが、高校生の頃。
自分では編曲できないので、「これやってみないかい〜(薄笑)」と、いけこにカセットテープを渡したのは……いつだったっけ。
いけこが最初に編曲してくれたのは、それから程なくだったと思いますが、それのドラ譜によればそれを写譜したのが2000年の夏頃です。
結局そのまんま10年くらいお蔵入りだったのですが、今回の四重奏演奏会の選曲の際に候補に上がってきて、(たぶん自分でその当時の編曲にダメ出ししたんじゃないだろうかと思われる)いけこがまた新たに編曲し直してくれたのでした。
タンバリンと足踏みが入ってなかなか楽しいです。

「ルフラン」は、2003年の「第32回マンドリン四重奏演奏会」のとき、いけこと幾狭の二重奏で演奏したことがあります。
酷かった記憶があるのですが、念のためそのときの演奏CDを引っ張り出して聴いてみました。
酷かったです。
よく出る気になったなぁ、ワシら。
そのリベンジというわけでもないんですが、作曲者のいけこが四重奏+パーカッションに編曲し直して再演ということになりました。
というか、いけこはあの怪しい打楽器その1その2を鳴らしたくてしょーがなかったんだろう、要するに。

前日は、法律上の退勤時刻になったらすぐ帰宅して駅へ、と思ってたけど、そんなときに限って問題発生→会議というのはなぜだろう。
ほぼ20分走りどおし(そのうち10分は楽器持って走った……)で、なんとか列車に間に合いました。
もし、その列車を逃して当日朝の列車ってことになってたら、サッポロ駅に着くのが正午過ぎ。
リハーサルなしぶっつけ本番でステージってことになってたはずです。
間に合ってよかった……。

当日、午前中に会場の「かでる2・7」に集まって練習してたのですが、どういうわけかasakingがなかなか来ません。

リハーサルに間に合うだろうか、と心配していたら、今度はワタクシの弦が剥けました
新弦にはりえるのをサボってるうちに当日が来てしまい、まだイイ音するからいいかぁ〜と放置していたら、やっぱり賞味期限が切れていたらしく、A線の表面の巻きが剥がれだしてしまったのでした。
うわ〜やらかした〜と思いながら、まず剥げたA線を替え、それだとバランス悪いから対になってるもう1本のA線も替え、それだけだとやっぱり変だからその上のE線も替え……とやっているうちに、asaking到着。

なんだか浮かない顔してるなぁ、と思ったら、ここでasakingが爆弾発言。


「……タンバリン……忘れてきちゃった。」


それ、今回の主役じゃん……

ワタクシの上をゆくやらかしっぷりに、思わず「やられた……」と思いました。

特急で約1時間かかるasakingの自宅に、彼女の弟君を派遣して捜索してもらったそうなんですが、やはり本人でないため見つけらなかったようで。
asakingは、「どうしよう〜」とアタマを抱えています。

たぶん、やらかしたショックでアタマが真っ白になってたせいだと思うのですが、単純な事実に気付かなかったようです。
この会場はサッポロの中心部。
ブツは、なんの変哲もないタンバリン。
自宅に取りにもどるより、そのへんの楽器店で買った方が時間もお金もかかりません。

というわけで、asakingは最寄りの楽器店に走り、タンバリンを調達してきました。
自宅に置いてきたいけこのタンバリンと同じ渋い木地のものを買ったつもりが、箱を空けたら、形は同じだけど可愛らしい赤に塗装されたもの(カラフルなリボンつき)だったことに本人はショックを受けてましたが、全員揃ってリハーサルができたことに比べたら、そんなこと小さい小さい。

それにしても、忘れてきたのがタンバリンだったのは不幸中の幸いでした。もし、いけこの怪しい打楽器その1とかその2とかだったら、えらいこっちゃでしたよ。

2曲とも、もっとも注目されるのはパーカッションなんですが、本当はドラが主役(のはず)の曲です。
念願の曲+リベンジの曲、ということで、今回はかなりキアイ入れて練習しました。
「ルフラン」のメロディについては、ほんとはもうちょっと綺麗な曲なんだけどそのようには弾けないなぁ、という感じでしたが、「Queen of Swords」の最初の単独でメロディ弾くところはけっこう自分のイメージどおりに弾けるようになってきてて、そこそこ自信をもって本番に臨みました。

結果。








ゴメンナサイ。


いやいや、あそこまでボロボロになるとは。
特に、単独でメロディ弾くところ。練習でいっかいも間違ったことのなかったとこまで、ミスタッチ連続。えらいことになりました。
フレーズに合わせて、開放弦使った方が合うところとそうでないところを考えて弾き分けるようにしてたんですが、自分の演奏のあまりの酷さに動揺して、全部開放で弾いてしまいました。
別にあがってたとかではないんだけどなぁ。

他のメンバーがけっこうイイ感じに弾けてただけに、たいへん申し訳なかったです。
やれやれ(嘆息)。

これさぁ、また録音CDが届いて聴いてみたら「思ったより良かったじゃん♪」ってことになってくれないかなぁ。
……無理だろうな、今回は。

ではでは、他団体の演奏で印象に残ったものについて書きます。

・ノリで行こう! (三重奏 M,MD,MC)
たろーかじゃさんのオリジナル曲「冬に咲くバラ」と、B.E.キング「Stand by me」。
曲も良かったですが、たろーかじゃさんの「Stand by me」でのスタンドプレイと、最後のバラを投げるパフォーマンスにシビれました。
特に、バラを投げる方は、たろーかじゃさんがやったとき以上に、つきあいで投げたと思しき共演の女性のが萌え度高くておいしかったです。
その後、我々の出番のときに、いけこがパーカッション持って立ち上がりましたが、太郎冠者さんのスタンドプレイに触発されたものと思われます。(元々やりたいとは思ってたんでしょうけど、実行したのはこれを見てなんじゃないかと。リハのときにはやってなかったからな。)

・月寒高校マンドリン部アンサンブルB(小編成)
ボロディンダッタン人の踊り」。
メインのメロディが聞こえてきた瞬間、じわっと涙が出そうになりました。
何度も何度もカセットテープを巻き戻して、この曲ばかり聴いていたのは、ワタクシが高校生のときだったなぁ。
って、何十年前だよ。

個人的な思い出のせいで感動したわけではないです。
以前になにかのCMでこの曲がかかったのを聴いたときには、「あ、この曲、好きなんだよな。」くらいの軽い感想でした。
今回の、この演奏がしみじみ良かったんです。

自分達の出番や調弦の関係で、月寒高校の他のグループの演奏は聴けなかったのが残念です。CDが楽しみです。

プレクトラム「六花」(六重奏 1M,2M,MD,MC,G,CB)
2曲演奏したうちの2曲目、アンドウマユコ「古風なプレリュードとアリア」が特に印象的でした。
他のメンバーが聴いていたらなんて言ったかわかりませんが、この演奏を聴いていたのは、いけことワタクシで、2名ともこの曲はストライクゾーンでした。(あんまり認めたくないんだけど、どうもいけことワタクシのストライクゾーンは重なってる部分が多いような気がする。)
求めよ。さらば与えられん。
六花のメンバーの方が、楽譜を一部くれました……。
(※楽譜譲渡の詳細は煩雑になるのでここには書きませんが、要約すると作曲者に無断でということにはなりません。著作権関係はどうなってるのかという疑問を抱かれる方がいらっしゃらないとも限らないので念のために記しておきます。)

・Hさん(マンドリン独奏)
桑原康雄「じょんがら」。
・あるでんて(二重奏 M,MD)
丸山大悟「杜の鼓動」
上記2曲は、先日の「"id"綿雪コンサート」で演奏されたものの再演です。
やはりこちらの出番の関係で本番のステージは聴けませんでしたが、練習しているところを聴けました。
前回もすごかったけど、1ヶ月でさらにすごくなってました……。
あと、あるでんてさんは、マリオネットの「遠い海の記憶」も弾いていて、そちらも良かったです。

ところで、今回記憶を確認するために過去のマンドリン音楽祭や四重奏演奏会のCDひっくり返してみるまで気付かなかったんですが、そういったCDの中で特に気に入って繰り返し聴いている演奏の多くに、あるでんてのお2人が参加していらっしゃいました。
今までに2回参加したことのある"id"の演奏会で2回ともご一緒していたにもかかわらず、さっきまでその事実に気付いていませんでした……

そんなわけで、今回の四重奏演奏会も楽しんできました。
会のあと、みんなで晩御飯(ヱビスビールつき)食べたときに太郎冠者さんとご一緒できたのも楽しかったです。
これで自分の演奏さえ酷くなかったら、もっと楽しかったはずでしたが。